【使う前に見て】リボ払いの仕組みと利用する上での注意点

お金

クレジットカードは日常生活における決済手段として必要不可欠な存在になりました。支払いを翌月に回せるという家計の資金繰りとしても役立つほか、各種支払いが1回にまとまる、利用した明細がスマホなどで一目でわかるなど、様々なメリットがあります。

そんな便利なクレジットカードですが、リボ払いという機能についてはご存じでしょうか。リボ払いはクレジットカード利用者にとって便利な機能ですが、その仕組みを知らずに使い続けていると支払いの沼から抜け出せなくなる可能性もあります。

これからリボ払いを利用しようか迷っている、あまり使わない方がいいと言われているけど実際のところよくわかっていない、という方はこの記事でリボ払いの仕組みや注意点について理解しましょう。


リボ払いの基本的な仕組み

リボ払いとは、クレジットカードの利用金額にかかわらず、毎月の返済額が一定になる支払い方法です。たとえば、5万円の買い物をした場合でも、月々の返済額を「1万円」と設定していれば、5ヶ月に分けて返済する形になります。

この仕組みは、「分割払い」とは似て非なるものです。分割払いは特定の買い物に対して返済回数を決めるのに対し、リボ払いは毎月の支払い額を一定に保ち、使った総額に対して利息が発生します。つまり、利用残高が増えれば、返済期間が自動的に延びる仕組みです。


リボ払いの使い方

リボ払いには主に以下の3つの利用方法があります:

1. 加入型(事前設定型)

クレジットカードを申し込む際に、支払い方法を「リボ払い専用」に設定することで、すべての買い物が自動的にリボ払いとなります。この場合、特別な操作をすることなく常にリボ払いが適用されます。

2. 登録型(後設定型)

通常の一括払いでクレジットカードを使った後で、利用明細から対象の取引をリボ払いに変更する方式です。オンラインや電話などで手続きが可能です。

3. 自動リボ(リボ変更サービス)

特定の条件(利用金額が一定額を超えたときなど)で自動的にリボ払いが適用される設定もあります。これにより、意図せずリボ払いになることもあるため注意が必要です。


リボ払いのメリット

1. 毎月の支払いが一定で計画が立てやすい

支払額が一定のため、家計の管理がしやすくなります。特に出費がかさんだ月でも、支払額が急増することはありません。

例えば、今月は出費が重なって利用金額が思っていた以上に高かったという方は抑えたい金額でリボ払いを設定することで支払いの一部を翌月以降に持ち越すことができます。

2. 緊急時の高額出費にも対応できる

急な医療費や家電の買い替えなど、一時的に高額な出費が必要になった際に便利です。まとまった金額を分散して支払うことが可能になります。

クレジットカードがなければこのような急な出費にも現金で支払わなければならないため、1枚持っておくと安心ですね。

3. 支払いの柔軟性がある

途中で支払額を増額する「増額返済」や、「全額繰上返済」も可能です。これにより、支払総額を抑える工夫もできます。

繰り上げ返済を利用することで支払う利息を最小限に抑えることができるので、返済に余裕がある場合は積極的に繰り上げ返済をしましょう。


リボ払いのデメリット・注意点

1. 利息が高く、支払総額が膨らみやすい

リボ払いの最大のデメリットは、利息(手数料)が非常に高い点です。多くの場合、年率15%程度が設定されており、長期にわたる返済は支払総額を大きく膨らませてしまいます。

例えば、30万円の買い物をリボ払いで月1万円のリボ払いで支払ったとします。そうすると、手数料(支払利息)は総額で約57,000円です。(金利15%で計算・正確なシミュレーションはカード会社に直接ご確認ください。)

当たり前ですが、利用金額が高いほど、また返済期間が長い(リボの設定金額が低い)ほど利息はどんどん膨らんでいきますので、利息を含めた返済計画を立てて無理のない利用を心がけてください。

各カード会社のシミュレーションなどを利用して返済計画を確認することができます。

2. 残高が把握しづらい

毎月の支払額が一定であるため、実際にどれだけ借金が残っているのかが見えにくくなります。これにより、借金が増えていることに気づかず、気づいた時には多額の残高が残っているというケースも少なくありません。

私が銀行で勤務していていた時に、ローンを借りに来るお客様を対応していましたが、リボ払いを利用している方でその残高を把握している人はほとんどいませんでした。自分がいくら借金しているか分からなくなる恐ろしい機能だと感じました。

3. 無計画な利用で多重債務に陥るリスク

支払いが一定額で済むことから、つい使い過ぎてしまう傾向があります。支出に歯止めが効かず、複数のカードでリボ払いを併用することで、多重債務に陥るリスクがあります。

もちろん、返済計画をしっかり立てて自分が把握できる範囲で利用するのは問題ないと思います。ただ返済を後回しにしたいという感覚で利用すると、気づかぬうちに残高が膨れ上がっています。

リボ払いを利用する際は必ず、毎月残高がいくら残っていて返済期間が残りどれくらいなのかという部分は把握しておきましょう。


リボ払いの利用における注意点と対策

1. 利用残高を常に把握する

繰り返しにはなりますが、リボ払いを利用する際はいくら残っているかを把握することが大切です。

カード会社のアプリや明細書を活用して、現在の利用残高と支払予定額をこまめに確認しましょう。自分の返済能力を超えない範囲での利用を心がけることが重要です。

2. 利息を減らすための増額返済や繰上返済を活用

リボ払いの支払い額を任意に増やす「増額返済」や、一括で残高を返済する「繰上返済」を積極的に活用することで、利息の総額を減らすことができます。

少しでもリボ払いの返済に充てることができる場合は、貯蓄に回さず必ず返済に充てましょう。貯蓄に回して得られる利息や運用益よりも支払う利息の方がはるかに高いです。

3. 自動リボ設定は必要に応じて解除

カード申し込み時に「自動リボ」がデフォルトで設定されていることがあります。意図せずリボ払いになるのを防ぐためにも、契約内容をよく確認し、不要であれば解除しましょう。

私も学生時代によく分らずクレジットカードを利用していたら、初めからリボ払いが設定されていたことがありました。ネットなどで申し込む際はその点も十分注意してください。

4. 教育ローンや目的別ローンと比較検討する

高額な支出にはリボ払いよりも、低金利な教育ローンや目的別ローンの方が適している場合もあります。金利を比較し、最適な支払い手段を選びましょう。

銀行には様々な目的に応じたローンがあります。ブライダルローンや医療費のためのメディカルローン、ロードバイクを購入するためのローンもあります。利用目的が決まっている場合はそれに応じたローンがないかを必ず確認してください。


リボ払いが向いている人・向いていない人

向いている人:

  • 毎月の支出管理が得意で、返済計画をしっかり立てられる人
  • 一時的な資金不足を補うために短期で利用したい人
  • 利用後すぐに増額返済や繰上返済ができる人

向いていない人:

  • 家計簿などをつける習慣がなく、支出管理に自信がない人
  • クレジットカードの利用明細をあまり確認しない人
  • 借金に対して心理的な抵抗が少なく、つい使いすぎてしまう傾向がある人

結論:リボ払いは「使い方次第」で便利にも危険にもなる

リボ払いは、うまく使えば一時的な資金繰りを助けてくれる便利なサービスですが、その仕組みを正しく理解せずに使うと、多額の利息を払うことになりかねません。特に、自動的にリボ払いが適用される設定には注意が必要です。

重要なのは、「毎月の支払額が一定で済む」という表面的な利便性だけにとらわれず、実際に支払うことになる総額や返済期間に目を向けることです。利用の際には、自分の返済能力を冷静に見極め、必要に応じて他の支払い方法と併用するなど、柔軟に対応する姿勢が求められます。

利用方法を守って健全な家計管理を心がけましょう。

ご覧いただきありがとうございました。