少額から気軽に投資が始められるNISAですが、その対象は18歳からとなっており現役大学生でもNISAをすることができます。中には大学生にまだ投資は早いのでは?と思う方もいるかもしれません。しかし、NISAは大学生からでも全く早いということはなく、むしろ多くのメリットを享受できます。本記事では大学生からNISAを始めるべき理由やデメリット、いくらから始めるべきかなどを詳しく説明していこうと思います。
大学生のNISA事情 ー やっている人の割合は?
実際に大学生はどのくらいの割合の人がNISAをしているんでしょうか。こちらについては正確な統計情報はありませんでしたが、だいたい大学生の1割くらいの方がNISAをやっているようです。ちなみに10代の方でNISA口座を持っている人、つまり18歳と19歳でNISA口座を持っている人の割合は約6%でした。こちらは政府が発表している年代別NISA口座数と人口統計を元に計算をしました。
また、約2割~3割の方がNISAについての認知があるようです。普及してきたとはいっても学生は普段勉強をすることが本業なのでそこまで認知は広がっていないみたいですね。私自身、NISAが普及してきた2022年まで学生でしたがNISAについては知っているどころか聞いたこともありませんでした。
大学生には一括投資ではなく、つみたて投資がおすすめ
NISAはまとまった資金で一括投資ができる「成長投資枠」と毎月コツコツ積み立てていく「つみたて投資枠」があります。それぞれ、年間投資限度額は成長投資枠が240万円、つみたて投資枠が120万円となっています。
大学生がNISAを始める場合は「つみたて投資枠」からがおすすめです。そもそも一括投資ができるまとまった資金が学生のうちはまだないと思います。また、一括投資はつみたて投資に比べてリスクが高くなるため、大きな値動きをしてしまいます。しっかり金融の勉強をしている方を除いてですが、多くの学生は大きな値動きに不安になってしまい落ち着いた投資行動ができなくなってしまう可能性もあります。まずは「一度試してみる」という心持ちで月々1,000円などの少額からつみたて投資を始めてみましょう。
大学生がNISAを始めるメリット
ここから大学生からNISAを始めるメリットを紹介します。
資産運用の基礎知識が身に付く
NISAをする際は、株式や投資信託で運用を行っていきます。NISAを始めることで株式や投資信託の購入の仕方や自分で投資した商品の値動きを見てどのような要因なのかといった、資産運用まわりの知識が身に付きます。私自身は社会人になってからNISAを始めましたが、学生時代内容が全く分からなかった日経新聞の内容が、NISAをしたことによってその値動きと意味が通じるようになり経済のニュースが理解できるようになって楽しくなりました。金利と債券が逆の動きをすることや株が下がっている時は安全資産として債券や金の価格が上がったりすることなどNISAによって金融の知識が確実に身に付きます。
またNISAによって身につけた知識は就職活動にも役立つ場合もあります。金融業界を志望している方はもちろんですが、経済の動きを捉えることはどこで働くうえでも必要なスキルになります。
長期的な資産形成ができる
大学生は他の社会人と比べ、より長い時間をかけて資産形成をすることができるのが大きなメリットになります。つみたてNISAのような毎月少額の投資でも初めて1年や2年は時期によって損をしてしまう可能性もあります。つみたてNISAは長い時間をかけてじっくり資産を育てていくものですので、大学生はその時間を味方につけた投資ができます。例えばつみたて期間中に大きな暴落に直面したとしてもそれが前の水準に戻るまでじっくり待つことができます。大学生からNISAを始める場合でも「長い目線」で投資することを心がけましょう。
大学生がNISAをするデメリットはある?
大学生でNISAを行う上では注意すべきデメリットもあります。
元本割れのリスクを理解する
これは大学生に限った話ではないですが、NISAでの運用は元本割れのリスクをはらんでいます。大学生のうちは金融の知識があまりないと含み損を出している時に焦って冷静な判断ができなくなる可能性もあります。つみたてNISAでも短期的には損失リスクが高くなることを理解しておきましょう。そして、含み損が出ても解約をするまでは損が確定するわけではないのでじっくり時間をかけて待つことを意識しておきましょう。
FXや仮想通貨など他の投資方法にも興味が出てくる
NISAで運用をしていくと短い期間で利益が出ることもあり、投資に対する抵抗感が徐々に薄れていきます。そうすると、NISAのような地道に少しずつの利益を積み重ねる投資方法よりも短期間で大きな利益を求めるようなFXや仮想通貨などの投資方法に魅力を感じてしまうかもしれません。しかし、これらの投資はリスクが非常に高く、十分な知識がない方は始めるには非常に危険です。数カ月かけて貯めたアルバイトの資金が一瞬でなくなってしまうこともあります。初心者の方にはコツコツ貯めていくつみたてNISAがおすすめです。
大学生のつみたてNISAはいくらずつが理想?
無理のない金額から始める
NISAは数年使う予定のないお金で行うことが鉄則です。最初に無理して大きな金額から初めて途中で苦しくなってから金額を下げたりしてしまうと返ってリスク軽減効果が薄れてしまいます。
また、何かと大学生は急な出費が発生することがありますよね。そんな場合にもすぐに使える分の資金は手元に残し、それでも取っておける余裕資金でNISAを始めましょう。
アルバイトをして稼いでいる人は1割程度をNISAに
アルバイトなどで収入を得ている人はそのうち約1割くらいをつみたてNISAで運用してみましょう。生活費や家賃などの負担率は人それぞれですのであくまで目安ですが、例えば月10万円を稼いでいる人は月1万円ずつ積み立ててみましょう。途中で頻繁に積み立て額を変えるのはあまり良くありませんが、余裕がありそうであれば金額を増やしてもいいと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。大学生でも少額からNISAを始めてみることで様々なメリットがあります。投資に対してまだ抵抗感がある方もいると思いますが、楽天証券やSBI証券などのネット証券では月100円からつみたてが始められます。将来必ず役立つお金の知識を身につけるためにも、ぜひこの機会にNISAを始めてみてください。
つみたてNISAについてさらに理解を深めたい方は少し専門的にはなりますが、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
