【全国民におすすめ】FP3級を取得するメリット

勉強

FPを取得して何か意味はあるのかと疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。お金に関する専門家というイメージはありますが、実際にどんな知識があるのかはいまいち分かりませんよね。

本記事ではFPを2級まで取得した私がこの記事を読んでいるみなさんに取得をお勧めするメリットを解説したいと思います。本記事ではFP3級を取得する前提で学ぶ内容やメリットなどを紹介しています。

結論、FP3級の内容であれば日本人全員が学ぶべき内容だと感じています。少し大袈裟に思えるかもしれませんが、FPの試験で学ぶ内容はみなさんが人生で避けては通れない内容が多く含まれているんです。

この記事を読んで1人でも多くの方が自分の人生のために「FPを受けてみようかな」と思ってもらえれば幸いです。

FP3級で学ぶ内容

FP3級で学ぶ内容は大きく6つのパートに分かれています。実際の試験では6パートの範囲がごちゃまぜでランダムに出題されます。

①ライフプランニングと資金計画

この分野では公的年金や健康保険・介護保険、住宅・教育ローンなどの仕組み等を勉強します。超高齢社会の重要課題の一つである定年後の生活設計や子どもの教育資金計画などのために年金やローンの仕組み、給付制度を知ることは大いに役立ちます。

実際に高齢化社会が進行する社会で将来の年金制度に不安を抱えている方も多いと思います。その反面、年金制度自体があまりよく分かっておらず、そもそも将来年金がどれくらいもらえて毎月いくら足りなくなるのか理解している人も少ないと思います。

将来の生活に備えるために、これらの制度を理解し、対策をすることは非常に重要です。

まさやん
まさやん

結婚や出産、子供の教育費だけでなく自分の老後生活も考えないといけないから
しっかりとした計画を立てる必要があるね。

②リスク管理

このパートでは、生命保険や損害保険など「万が一」に備える対策が学べます。

パート①のライフプランニングでは、健康保険や年金など最低限度の生活を守るための制度が多かったです。しかし、人生においては予想していなかったハプニングが起きることもあり、資金計画が崩れてしまうリスクも多々あります。

そんなリスクに備えるために、保険制度を活用して自分や家族の生活を守ることも重要です。もし自分に万が一のことが起きた時、残された家族はどうなる?と考えると何かしらの対策が必要だと感じるかと思います。

保険商品にも様々な種類のものがあるため、自分の状況にあった商品を選択することも重要です。

まさやん
まさやん

万が一の時にも大きく生活が崩れないように
備えることも重要なんだね。

③金融資産運用

この分野では、株式や投資信託・債券・外貨など様々な金融資産の特徴や仕組みを学習します。この分野を学習することでリスクやリターンの関係性を理解し分析できるようになるため、投資判断能力が身に付きます。

最近では、多くの方がNISAを活用して将来に向けた資産運用を始めています。ただ、中にはあまり仕組みが分からずにやっている方も多いのではないでしょうか。相場が急変した時にも正しい判断ができるように、基礎的な仕組みを理解しておくことは重要になります。

また、株式投資などに抵抗感がある方も売買方法やリスク、リターンの関係性など基礎的な知識を身につけることで、安心して取引を始められるようになるかもしれません。

銀行金利でお金が増えなくなった今の時代だからこそ、他の運用方法について学ぶことは必ず役に立ちます。

まさやん
まさやん

物価の上昇によってお金の価値を下げないためにも
お金を増やす方法は知っておいて損はないね。

④タックスプランニング

この範囲では日本の税金制度について学習します。特に所得税や住民税など個人の収入に関する税金がメインになってきます。

ここをしっかり学習すれば複雑でややこしい税額計算の全体像が分かるので、とても理解しやすくなります。また、全体像をつかむことで節税対策の考え方も身に付きます。特に税金に関しては、簡単に節税できる制度があるにも関わらず知らずに利用していない人も多くいます。

ふるさと納税や保険料控除など聞いたことがあるような制度がどのような仕組みで節税できるのかが分かるようになります。

まさやん
まさやん

毎月給料から引かれてる所得税や住民税の計算根拠が
分かるようになると所得が増えた時の対策もできるようになるね。

⑤不動産

実は不動産についてもFPで学習する範囲になります。「お金」の資格であるFPに不動産の内容が入っているのは少し意外ではないでしょうか。

具体的には、不動産の購入や売却、相続した場合や税制など幅広く学びます。また、「不動産投資」についても深めることができるので、資産運用の内容にも繋がってきます。

まさやん
まさやん

マイホームの購入など役に立ちそうな場面もありそうだね。

⑥相続

最後の学習範囲は相続の内容です。若い方にはまだなじみがないと思いますが、必ずいつかは相続の場面に直面することがあると思います。

「家族が亡くなった時に誰がどの割合で相続するのか」「相続税はどうなるのか」など、基礎的な内容を知っておくだけでも実際に直面した際にスムーズに手続きができます。

また、相続税に関しても知っておくだけで数十万円~数百万円得するような節税対策も学ぶことができます。特に親が高齢になってくる30代~40代の方は基礎の部分だけでも勉強することをおすすめします。

まさやん
まさやん

万が一の時に慌てないためにも対策や準備を
しておくと安心。

FP3級を全国民が学ぶべきと考える理由

ここまでFP3級でどんな内容の学習をするのかという部分を見ていただきました。そんなことまで勉強するんだと思った方もいるかもしれません。

~FP3級の学習内容まとめ~

  • パート①:ライフプランニングと資金計画
  • パート②:リスク管理
  • パート③:金融資産運用
  • パート④:タックスプランニング
  • パート⑤:不動産
  • パート⑥:相続

ただ、これら6つの学習パートは人生において避けては通れない内容ではないでしょうか。普段、会社員などで働いている人は社会保険料(パート①)や所得税(パート③)が引かれています。また、医療保険や生命保険(パート②)への加入は誰もが検討することですし、マイホームの購入(パート⑤)をするかどうかも人生に大きな選択肢の1つです。親の相続問題もほとんどの方がいつか向き合わなくてはいけないことです。

こういった内容は高校の経済の授業で軽く触れた方もいるかもしれませんが、深いところまでは学習しないと思います。自分の力で稼いで生活をしなくてはいけない社会だからこそ、お金の授業は学校の義務教育でも力を入れて取り組むべきだと思います。

もちろん、実際に働いているわけではない学生が所得税や社会保険などの勉強をしても実感が沸かず身に入りにくいかもしれません。ただ、その点で言うと社会や理科など他の教科においても同じことが言えると思います。将来確実に自分に関わる内容ということを考えるとこれらお金の授業の方が大切な気がします。

最近では英語やIT教育に力を入れている印象はありますが、同様にお金の教育に関しても今後力を入れてほしいと思います。また、既に社会人になっている方もまだ遅くはありません。お金の問題は常に直面しますので、ぜひFP3級にチャレンジしてほしいと思います。

FP3級を取得するメリット

FP3級で学ぶ内容を整理した上で、実際に得られるメリットを5つ紹介します。もちろんメリットはこれら以外にも沢山あります。個人的な意見も含んだ一部のメリットになります。

①お金についての知識が幅広く学べる

まずはそのままですが、お金に関する知識が浅く広く身に付きます。年金や税制など身近な内容から不動産や相続など関わる機会は少ないけど大事な内容まで幅広く勉強します。

FP3級の勉強をすると身近なものの解像度が高くなります。例えば給与明細を見て、源泉徴収されている所得税の額がどのような計算根拠で算出されているかが分かります。「そんなの知らなくていいじゃん」と考える方もいるかもしれませんが、個人的には納得感が大事だと思っています。「なんでこんなに税金が引かれているの?」と考えるよりは「これだけ稼いだからこのくらい引かれるよね」と数字に納得できると安心もできます。

また、会社員の方が毎年年末にもらう源泉徴収票においても、控除や扶養の欄など記載されている数字が分かるようになった嬉しさを覚えています。

このようにFP3級を学ぶことで日常生活において役立つことが沢山あります。

②老後までの資産設計ができるようになる

特に20代~30代の方は毎月の生活のやりくりに目が行き、将来に備える準備をしている方は少ないかと思います。子供がいる家庭では教育費などに不安もあり、自分の老後に気を配る余裕もないかもしれません。

ただ、ある程度将来どれくらいの年金がもらえて、月々いくら貯蓄を取り崩す必要があるのかなどはざっくり分かっておいた方がいいと思います。もちろん、数十年後の年金額がどうなっているかは誰も分かりませんが、現状の範囲で備えをすることはできます。

また、老後になると施設に入る方も一定数おり、介護保険への加入も検討するようになると思います。このように単なる将来の生活だけでなく急な出費や思わぬ生活の変化などを想定できるようになるんです。

将来の不安を消していくことで、今の生活の安心感にも繋がります。FPを勉強して長い目で見た人生設計をしてみてください。

③節税の知識が身に付き、家計の負担を抑えることができる

私自身がFPの中でも特に重要だと感じる点が税金のパートです。日本には身の回りに多くの種類の税金がありますよね。消費税、所得税、住民税、ガソリン税、たばこ税、固定資産税、相続税など。色々な場面で税金を払いすぎて、1つひとつの税金を細かく理解している方は少ないと思います。

税金の細かい仕組みを理解することで、節税対策がしやすくなります。税金がなぜかかるかを知らずに税金を減らすことを考えるのは難しいですよね。

節税対策で言うと、生命保険料控除、住宅ローン控除、ふるさと納税などが挙げられます。ふるさと納税は厳密には節税ではないですが、住民税の仕組みを利用したお得な制度です。このような制度は基本、自分で手続きや申告をしないと受けられないものばかりですので、知らないと損するような制度ばかりです。

国はわざわざ税収を減らすようなことを積極的に発信しません。このような節税に関する制度があるにも関わらず、利用が進んでいないのが事実です。これらの知識が身に付くことで、毎年の税金を大幅に抑えられたり、住宅ローンなど人生における一大イベントの際にも役に立ちます。

④様々な業界で役立つ

FPの内容はその学習範囲の幅広さを理由に様々な業界で取得が推進されています。特に金融業界や不動産業界などでは昇進のための条件になることもあります。特に営業職の方はFPなどの資格を持っていると、顧客からの信頼に繋がることもあるでしょう。

また、FP資格は就職や転職でも有利に働くことがあります。実際、本当にFPの資格を活かして仕事がしたい方は最低でもFP2級まで取得することをおすすめします。

FP2級は3級と比べ学習範囲は同じもののより深い部分まで学んでいるため、FP2級まで取得すると就職や転職で大いに役立ちます。

⑤副業にも役立つ

FP資格の知識や専門性を活かし、副業として収入を得る方法もあります。副業として考えられる実例をいくつか挙げていきます。

資産設計相談

お客様のお金に関する様々な相談にアドバイスをし、相談料をいただく仕組みです。ただし、個人として始めるには一定の知名度がないと集客が困難になるかと思います。FPの資格+業界での経験が求められるでしょう。

情報発信

ブログやSNSなどでお金に関する情報を発信し、アフィリエイトなどの広告収入を得る方法です。さらに、セミナーなど自分の商材を売り込むことでシナジー効果も期待できます。

ただし、ブログにしてもSNSにしても読者やユーザーに認知してもらうまでの期間が長くかかります。最低でも1年間根気強く続けられる方が向いているでしょう。これらの情報発信は自分の資産として積み上げられていくのでストック性の高い収益が期待できます。

資格取得の指導

FPに合格した経験をもとにFP対策セミナーのような講座を行う方法です。「人に分かりやすく教えることが得意」という方は向いているかもしれません。

ただし、教育する立場に立つためにはある程度深い知識が必要になるため、FP指導を行うのであれば1級まで取得する必要がでるかもしれません。

FPを取得するデメリットはある?

独占業務がない

FPには独占業務がないため、例えば先ほど紹介した資産設計アドバイスなどの仕事はFPを持っていなくても誰でも行うことができます。また、FPの資格を取得すると国家資格の「○級ファイナンシャルプランニング技能士」という名前を名乗れますが、「ファイナンシャルプランナー」という職業は誰でも名乗ることができます。

例えば、宅建を取れば不動産における売買手続きができるようになったり、司法書士は登記手続きを代理で行えるようになります。対して、FPを取得したからといってこの仕事ができるというものはないんです。

ですので大事なことは、FPを取得する目的を明確にすることです。もちろん、自分の教養の為に学ぶのもいいと思います。また、何か仕事に活かしたいと思っているのであれば、具体的にどう活かすのかまでを考えておくといいでしょう。

学んだ内容が年々変わってしまう

これはどんな資格にも当てはまるかと思いますが、法令の改正などで金融関連のルールはどんどん変わっていきます。つまり、一度FPを取得したからといって同じ知識が何年も通用するわけではないということです。もちろん、基礎的なところではずっと役に立ちますが、特に仕事に関わる人はルールの改正などを追って学び続けていく必要もあります。

例えば、税金や社会保険などに関連する「年収の壁」もFPで学びますが、今年2025年に大きく改訂されました。このように一度覚えたことが改訂されると覚え直すのが少し面倒に感じるかもしれません。

3級では権威性があまりない

独占業務がないということに繋がりますが、FP3級を持つことによる権威性はあまりありません。例えば、ブログ記事を監修するとなれば、最低でもFP2級は必要でしょう。FP3級はFPの入門編のようなイメージで年間約6万人(2024年)の合格者が出ています。合格者数が多い試験だからこそ、FP3級を武器にするのは難しいでしょう。

対して、FP1級の難易度は2級と比べてもはるかに高くなるので、1級を取得していることの権威性はかなり高くなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回の内容を簡単にまとめます。

FP3級を取得するメリット5選

  • お金についての知識が幅広く学べる
  • 老後までの資産設計ができるようになる
  • 節税の知識が身に付き、家計の負担を抑えることができる
  • 様々な業界で役立つ
  • 副業にも役立つ

FP3級のデメリット3選

  • 独占業務がない
  • 学んだ内容が年々変わってしまう
  • 3級では権威性がない

FP3級は他の試験と比べて取得しやすい資格となっています。また、自分の人生設計に直接関わる内容になるので、合格や不合格といった結果以前に勉強すること自体が有意義なものになります。

「将来に不安がある」「家計を見直したいけど何からすべきか分からない」などお金に関する不安がある方はFPの資格を勉強してみましょう。人生が大きく変わるかもしれません。