【借りるな危険】残価設定ローンの罠と借りてしまった場合の対処法

ローン

みなさんは車を購入したことはありますでしょうか。

車を購入する際、多くの方が銀行やディーラーでローンを組まれると思いますが、その際に「残価設定ローン」を勧められた経験はないでしょうか。

残価設定ローンは毎月の返済額を抑えられるというメリットがあり、多くの方が利用しているローンですが、その仕組みはご存じでしょうか。メリットもある残価設定ローンですが実はあまり知られていないデメリットもあるんです。

今回は残価設定ローンとは何かというところからデメリットや借りてしまった場合の対処法までご説明していきます。

~この記事で分かること~
●残価設定ローンとは何か
●残価設定ローンのデメリット
●残価設定ローンを借りてしまった場合の対処法

残価設定ローンとは

残価設定ローンとは、車両価格からあらかじめ将来の下取り価格を差し引いた金額に対してローンを組む方法です。

特徴①:毎月の返済額が安く抑えられる

残価設定ローンでは、購入価格の一部に対してローンを組むため、毎月の返済額を安く抑えられる特徴があります。

頭金を出さずに、毎月の費用を抑えながら新車に乗ることができる一番のメリットです。

特徴②:3~5年で乗り換えることになる

残価設定ローンの場合は、残価設定した期間が満期になった時点で必ず乗り換えの選択を迫られます。

多くの場合、残価設定期間は3~5年の設定にされています。短いスパンで新しい車に乗り換えられるという特徴があります。

逆に期間が満了した時にやっぱり車を買い替えたくないとなった場合は、残価として設定した金額(ローンで払っていない金額)を一括で支払って車を買い取らなくてはなりません。一括で支払うことができない場合は銀行などで再度ローンを組みなおす必要があります。

特徴③:車両の所有権を持たない

残価設定ローンでは車両の所有権は信販会社にある場合がほとんどです。

従って、車に乗っている人は、所有者にならないため車を勝手に売ることができません。

基本的に残価の満期が来るまでは乗り続けなければいけないということですね。

注意すべき残価設定ローンの罠(デメリット)

お得感がある残価設定ローンですが、注意すべきデメリットも多くあります。

デメリット①:利息計算には残価分も含まれる

最も気を付けるべきデメリットは、利息計算に残価分も含まれてしまうということです。

先ほど残価設定ローンは「車両価格からあらかじめ将来の下取り価格を差し引いた金額に対してローンを組む方法」と説明したため、利息も残価分を引いた金額にしかかからないと思われがちです。

しかし実は、利息は車両の購入額すべてに対してかかってしまうんです。
ですので、残価設定ローンで毎月の支払いが軽減される効果は思ったよりも小さくなります。

実際に返済シミュレーションで全額ローンを組んだ場合と残価設定ローンで組んだ場合の返済額を比較してみましょう。

前提条件
・車両総額300万円、借入年数5年
・残価設定ローンは5年後の残価を100万円として計算
・借入金利は5%

以上の条件で計算すると以下のようになります。

フルローン残価設定ローン
月々返済額57,459円42,535円
5年間の総支払額3,390,081円2,509,565
残価を払って車を買い取った
場合の総支払額
3,509,565円

この結果から
○フルローンより残価設定をした方が15,000円ほど月々の負担が軽減される
○残価設定ローンで最後に車を買い取る場合は、フルローンより総支払額が10万円強高くなる
ということが分かりました。

つまり、初めに残価設定ローンを組んで最終的に車を買い取ってしまうと、損をしてしまうということになりますね。もちろん、残価が保証されているということも加味すると利息が割高になるのは当然かもしれませんが、この点にも注意をしてローンを組むようにしてくださいね。

デメリット②:事故を起こしたら一括返済になることも

上の特徴でも述べたように、残価設定ローンを組んだ場合の車両の所有権は信販会社などにあります。

もともと車を返却する前提で契約するものですので、万が一事故などで廃車になってしまうと返却する車がなくなるのでローンの残債と残価部分を一括返済しなくてはいけなくなります。

そのような状況を防ぐために自動車保険にしっかり加入しておきましょう。

残価設定ローンを意図せず組んでしまった時の対処法

残価設定ローンは基本的に満期で車を乗りかえることが前提で契約するローンです。ただ毎月の返済を抑えたいという理由で組んでしまうのはNGです。先ほど説明したように残価設定ローンは利息の面で割高になるので、自分の車に乗り続ける意思があるのであればフルローンで借りることをお勧めします。

中にはディーラーに勧められて、意図せず残価設定ローンを組んでしまった方もいるのではないでしょうか。そんな方は銀行のローンで借り換えをしましょう。

銀行はディーラーよりもかなり低い金利で貸し出しを行っています。ディーラーで借りたローンを借り換えすることができるので、銀行窓口で相談してみましょう。

残価設定ローンを利用するのが向いている人

残価設定ローンを組むのが向いている人は、

  • 短いスパンで車を乗り換えたい方
  • 教育資金や住宅ローンなど現在の支出が厳しく、なるべく目先の返済額を抑えたい方
    などです。

ローンの目的を明確にして利用するようにしましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

残価設定ローンは一部の人にとって大きなメリットもある一方、あまり知られていない注意すべきデメリットもありました。

車の購入は数年~10年以上にわたる大きな買い物です。ローンの組み方などは固定費管理において非常に重要な点になるので、しっかり理解しておきましょう。

固定費の削減方法についてはこちらの記事でも紹介しているのでぜひご覧ください。

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