こんにちは。今回は私が学習塾の運営を始めて感じたことや起業家として学んだことをお話ししたいと思います。
2025年の1月から学習塾を立ち上げて約半年が立ちました。「全て自分に責任が問われる環境で働きたい」という思いで個人事業主としての生活が今年から始まりました。思い通りにいかないことがほとんどで苦しい日もありますが、自分で起業をしてよかったと心から思っています。銀行員という比較的安定した職を捨てて、いばらの道を進むことになりましたが後悔したことは一度もありません。自分が心からやりたいことを自由にできている毎日に生きがいを感じています。
もしこの記事を読まれている方で、今の生活に満足していない、起業をしてみたい気持ちはあるが勇気がでない、起業して失敗するのが怖いと感じている方がいれば、少しでもその背中を押すことができれば幸いです。
私が起業をして学んだこと
ここから私が起業をして学んだことをつらつらと書いていきます。尚、今回は学習塾に限らずどんなビジネスを行う上でも役に立つであろうことを選んでいます。
1. 業界の経験はあれば良いが必須ではない
起業をする上では、その業界での経験があることに越したことはありません。多くの人は会社員時代に勤めていた業界の分野で独立し、その当時のお客さんを顧客に引っ張るという話はよくあることだと思います。創業者としてその業界に携わった経験を問われることもあるかと思います。
しかし、これからの時代は「どれだけ他社と差別化できるか」という点が大事になってくると思います。ものやサービスがありふれたこの時代にビジネスで勝っていくためには、他社にない独自の差別化ポイントを作ることが重要だと感じます。
例えば、私がよく通っている創業間もない居酒屋では、予約をしていくと名前付きのメッセージカードを席に用意してくれています。メッセージには「素敵な時間にしてください」や「いつもありがとうございます」など書かれておりシンプルではありますが、私は初めてこの居酒屋に行った際にこのメッセージでお店に親近感が沸き、その後も定期的に通うようになりました。
もちろん、料理が最低限口に合うことは前提にはなりますが、私はお店に対する親近感やそこの空気感が好きで通っているのだと思います。お店がどれだけ長くやっているのか、店長がどれくらい飲食業の経験があるのかはほとんど気になりません。
つまり、自分がその業界にどれだけ精通しているかというよりも、大事なのは他ではやっていないようなアイデアを生み出すことだと思います。
もちろん、業界経験が長いほど内部事情をよく知っていたり、多くの顧客と接してきた経験があるのでアイデアも生まれやすいという側面もあると思いますが、そこは業界関係者と自ら繋がりを持つことで情報収集をすれば十分だと思います。
2. お金は起業を諦める理由にならない
起業をする上で最も大きな壁として立ちはだかるのは「お金」の問題かと思います。起業をするほどの十分な自己資金がない、会社員を辞めるとなると食っていけるか不安、などお金を理由に起業を諦めてしまう人は多いと思います。
しかし、私自身100万円も資産がない状態で起業を決意し、実際に立ち上げるところまでできました。お金が尽きてしまってもアルバイトなどで何とか最低限の生活を確保して、どうにか事業が安定するまで継続して見せるという意気込みと勢いでやり遂げました。実際、事業の内容にもよると思いますが、今はパソコン1つあればできる事業も山ほどあると思います。
また、市区町村によって創業の支援をしてくれる補助金や創業融資もあります。商工会議所の創業支援の補助金は最大200万円まで補助してくれます。このように挑戦する人を応援する環境もありますが、本気で挑戦しようと何か行動に移すまではこういった補助金などの情報にたどり着くことも少ないかもしれません。結果、お金が理由で諦めてしまうことになります。
私は会社を退職してもらえた失業手当も事業の資金として回しました。日々の節約も意識するようになると生活費を月5万円以上軽減することもできました。要するに本気になれば日常生活での意識や周りの環境をも変えることができ、目標にぐっと近づくことができます。
本気で起業がしたい方は「今の安心」を捨てて「未来への投資」を行いましょう。
3. 知識ゼロでも大丈夫
何か事業をする上では様々な知識が必要なように思えます。ITに関する知識(ホームページの作成やネット集客など)、会計の知識(簿記)、法務(契約書や規約の作成など)、他にもあらゆる分野について触れることになると思います。私自身、銀行員だったこともあり簿記には触れていましたが他のことについては全く無知な状態でした。しかし、今の時代スマホ1つで何でも調べることができます。
「ホームページ 自分で作る」「入塾申込書 テンプレート」など、グーグルで調べると自分が求めている情報が沢山敷き詰められています。今では多くの方がChat GPTに聞くことが増えてきたかもしれません。実際ホームページの作り方が分かったとしても、ソフトの操作1つで何回も躓いて、その度に解決方法を調べて1個1個できるようになっていきます。
もちろん、ホームページの制作なんて外注すればいいじゃんと思う方もいるかもしれません。自己資金が潤沢にあればそれでもいいと思いますが、ホームページの制作はざらに100万円を超えてきます。
例えば、電気工事など資格が必要になるものは自分ではできませんが、たいていのことは勉強すれば自分でできることがほとんどです。今は何も知識がないと思っても、勉強すれば意外と自分でもできたというものが多いので全く心配する必要はありません。
4. 様々な業者の相場観が分かる
開業するにあたってや創業当初は色んな業者と関わることがありました。店舗取得の為の不動産業者や内装工事業者、看板設置業者、電気工事業者などの主に物件に関わる業者。また、ホームページ制作会社やSNS運用会社などのIT企業から営業が来たりなど、いろんな企業との接点ができます。
普段だと関わることがあまりないと思いますが、実際に関わってみてそれぞれの相場観がだいたい分かるようになりました。相場観が分かると何がいいのと思うかもしれませんが、私はそれで商売の感覚を鍛えることができたと思っています。例えば、店舗を借りる際、清掃業者にお願いするかどうか聞かれました。これが10万円を超えると自分でやった方がましと感じると思いますし、2~3万円であれば任せてしまおうと思うかもしれません。専門性がそこまで高くない事業というのは利益を多く上乗せすることができません。
逆にホームページ制作など自分で勉強すればできるけど、それにかなりの時間がかかったり挫折してしまいそうな専門性が高い領域は単価が100万円を超えてくるほど利益率が高くなります。ビジネスをする上では価格設定も重要になりますが、コストに対して利益がどれだけ上乗せできて価格設定がどうなるのかといった相場観を持てたことは大きな学びになりました。
5. 周りの人脈が大切
創業期で顧客もほとんど付いていないという状況を打開するのは、自分の周りの人脈からだと思います。私も学習塾を始めて最初に連絡をくれた親御さんは前職で一緒だった先輩でした。中には前職のお客さんを引っ張ってきて開業するという方も多いと思います。
例えば、友達が新しくパン屋さんをオープンしたといったら行ってみたくなりませんか?さらにもっと言うと友達の友達がパン屋をオープンしたというだけでも1度は行ってみようかなと思うかもしれません。消費者はただ単にパンのおいしさを比べてパン屋さんを選ぶわけではなく、そういった自分との繋がりや何かの縁があるところを選んだりもします。
まずは、自分の周りから声をかけていって認知を広めていけばそれが回り回って多くのお客さんのもとに届いていきます。中にはそんな多くの人脈持っていないよという方もいると思います。ただ、人脈はこれからでも増やしていくことができるんです。料理教室やボランティアなどのコミュニティに自分から参加していけばその中で新しい人脈を作ることができます。
起業をしてみて感じたことは、自分なんかでもこれだけ応援してくれる人がいるということです。「小学生がいる親御さんにチラシ渡してみるね」「塾の近くに知り合いがいるから声かけてみる」「開業祝いに何かプレゼントさせて」など私の塾を応援してくれる声を沢山かけていただきました。それだけで頑張る力になりますし、応援してくれる人たちのためにも成功させたいと強く思うようにもなりました。
自分の周りの人脈を普段から大切にしていきましょう。周りにまいた恩は必ず自分が挑戦する時に返ってきます。
まとめ
今回は私が起業して半年で学んだことを赤裸々に書かせていただきました。この記事を読んで少しでも多くの方が「自分でもできるかも」と思ってもらえていたら嬉しいです。
何かに挑戦するのは勇気がいりますが、必ず周りの人が応援し、支えてくれます。ぜひ初めの一歩を踏み出してください。
ご覧いただきありがとうございました。